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活動報告


= 2015年度 =
▼第29回日本エイズ学会各術集会総会参加報告
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第29回日本エイズ学会学術集会参加報告2015年度

特定非営利活動法人りょうちゃんず
理事長 藤原良次

去る、平成27年11月30日、12月1日東京水道橋東京ドームホテルにて開催された、第29回日本エイズ学会学術集会へ参加いたしましたので、ご報告申し上げます。
まず、薬害セッションでは、遺族「お尋ね」についての発表がありました。3題の発表がありましたが、1題は口頭、2題はポスターでの発表となりました。内容はすでに皆様のところに届いている「お尋ね報告」と概ね重なっていますので省きますが、本来、この事件で、大切なご子息やご主人を亡くさなければ、普通(多くの人々と同じ)生活が送れたはずの、母親や妻が、カウンセリングやお尋ねのスキルを学び、自分の悲しい体験を思い出しながらも、何年も続けている相談員(遺族)の取り組みが、初めて学会で発表されたということが画期的であり。薬害エイズ事件がまだ解決を見ていないことを参加者に知らしめたところに意義があると思います。もう少し、心理的学的な捌きが欲しい気もしましたが、心理・心療内科専門家のご尽力が相談員(遺族)の力になっているところを鑑み今回は十分であったと思います。矢永先生からは相談員(遺族)の真面目やスキルの高さも確認できました。無理をせず続けてもらいたいと思います。
相談員(患者)の血友病患者へのアンケート調査結果もポスターで発表されていました。森戸相談員が熱心に説明していました。
はばたき福祉事業団の調査発表もあり、今後はより個別性の高い支援が必要であろうと思います。訪問看護職ステーションを利用する仕組みがうまく組み立てられるといいと思います。一方、ACCでの薬害被害者向け検診と調査シートの発表がありました。看護の視点に偏重しているようにも移りましたがフロアーのMSW職からの同じような指摘がありました。もう少し工夫が必要であると思いました。また、前回のシートでは作成する看護職(実際に看護している地元の看護師)の力量に負うところが多かったので、シートの改良版には期待したいところです。ACCは十分な予算があるにも関わらず医師と看護師だけで取り組んでいるようなので、もう少し他職種も交えることを提案すればいいのではないかと思います。又、原疾患である血友病については、過去の専包括医療を総括しているのかが疑問です。過去、あるいは先研究を総括する作業は現研究を行う上で重要ではないかと思います。はばたき福祉事業団とはコラボレーションしているようですので患者目線は十分指摘されていることでしょう。患者支援や聞き取りは今後ともはばたき福祉事業団と連携していきたいと思います。
このセッションでは久しぶりに座長をしましたが、拙い座長でしたが、おほめの言葉も頂きました。
カウンセリングセッションに参加しましたが、患者視点が十分でなく、相変わらずのレベルの低さが目立ちました。例えば、ブロック拠点病院である広大カウンセリングスタッフは参加していません。予算の関係上、すでに会場を去っていました。薬害被害者の救済医療への方向性は別の機会にきっちり、病院と話し合うつもりです。
テビケイ、トリーメグ服薬者の睡眠障害がポスターで発表されており、自覚するところがあったので、広島大学病院斎藤医師の尋ねたところ、ひどいようだと睡眠導入剤を使用することを勧められました。同じ薬を服薬している皆様は注意してください。
スカラシップの振り返りシンポジウムに参加したが、池上千鶴子氏、伊藤雅治氏、長谷川博史氏とスカラシップの経緯が解りました。しかし、スカラシップで学会に参加し地元で取り組もうと思った時の支援体制は十分ではなく、燃え尽きてしまう人を幾人も見てきました。スカラシップが患者が参加できる環境を支援することだけを目標とするのであればそれでもいいのですが、今後は支援体制の構築のお役にりょうちゃんずは立ちたいと思います。
最後に医療のセッションは、患者がたくさんの事例を知っていても意味はないと思っているので、主治医と問題解決し、皆様に伝えられることがあるとしたら別の機会としたいと思います。
広島大学病院看護スタッフとの食事会も開くことができ、広島で1月に開催予定の陽性者ミーティングの打ち合わせも十分にできました。又、肝炎治療の相談も大阪医療センターの三田先生とできました。LAFの現在の取り組みも知ることができました。充実した2日間となりました。
今回は演題を出すことができませんでしたが、次回は患者視点、研究者視点の両方がる発表をしたいと思いますので期待してください。

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特定非営利活動法人りょうちゃんず
早坂典生

去る、平成27年11月30日〜12月1日に東京ドームホテルで行われた第29回日本エイズ学会学術集会(大会テーマ「予防、予防、予防、そして予防」)に参加しましたのでご報告いたします。
薬害セッションでは、はばたき福祉事業団の調査報告にもありましたが、長期療養をしながらも、死亡例の増加、脳死肝移植希望者の増加、血友病関節症の悪化、各種合併症の発症、病老介護、患者の孤立等が報告されました。薬害エイズの当事者としてHIV感染を知ってから30年近くになり、当時の私は、この年まで長期療養時代を迎えるとは全く思っていませんでしたが、改めて今の薬害エイズのHIV陽性者の深刻な状況を実感しています。今後は個別対応事例が増えることが想定され、課題が細分化してくると思いますが、生きていくためには必要な情報は、医療の専門家に限らず、様々な専門家や多くの社会資源の活用を利用し、生きていかなければならないと思います。そのためにはりょうちゃんずとして、様々な専門家とのつながりや社会資源の活用、関係つくりが重要になると思いましたので、そのために私自身も関係つくりのために努力したいと思います。
今回のエイズ学会の参加は、私自身の健康上のこともあり、C型肝炎治療への関心が高く「HCV重複感染の現状と課題」というシンポジウムに参加しました。過去の治療では消失しなかった経験もあり、これまではインターフェロン治療とリバビリンにより一定の治療効果と副作用が話題でしたが、インターフェロンフリー療法の時代が見えてきたようです。新しい抗HCV薬の治療効果は、劇的な治療効果が期待でき、C型肝炎の根治が見えるところまで来ているとの報告でした。私は、過去にHIV治療を優先したため、C型肝炎治療を後回しに考えていたこともありましたが、新しい治療薬によりこれまで消失しなかったC型肝炎を治し、肝臓の回復を目指したいと思います。そのためには、自分自身の肝臓の状態を今一度把握することや適切な治療や情報を得ることが重要です。
スカラシッププログラム10周シンポジウムでは、自分が参加した時のことを思いだしました。初めて参加した人たちがHIVについて学び、同じHIV陽性者の仲間を作ろうという姿は、とても印象的でした。貴重な寄附と時間を決して無駄にすることなく、これからのHIV陽性者としての生活に活かして欲しいと思いました。HIV陽性者としての活動を続けることは難しかったりしますが、頑張って欲しいと思います。この事業がHIV陽性者支援協会に受け継がれていくことも期待します。
最後に、今学会のテーマである「予防、予防、予防、そして予防」についてですが、確かに感染予防、発症予防、様々な予防があります。私もHIVに感染してながらも、とにかく誰にも感染しないで欲しい、発症しないで欲しい、健康でいて欲しいというのが、率直な願いです。最終的には、HIVが根治する病気になればと願いますが、予防については、それぞれの人がそれぞれの立場になって真剣に考えていかなければならないことと思います。そして本当の意味で慢性疾患と言われるようになればと思います。
次回は体調を万全に整え、新しい治療効果があったと言えるような報告にしたいと思います。






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